2014-01-01から1年間の記事一覧

ヨーロッパにおける参審制度の活用法

もっとも、民事事件の場合は刑事事件と異なって、技術的な複雑さかおり、素人には向かないのではないかという懸念かおることは私も十分承知しています。しかし、日本より法制度が複雑とさえ思えるアメリカでも民事陪審をやっているのです。争点の整理、裁判…

高齢化の根本問題

われわれは政府も含めて今世紀の後半から、かなり真剣に社会保障・社会福祉の充実に努めてきたわけで、それを二一世紀になって、財政難であるからという理由で一挙に極端な改革をするということは国民の理解も得られないだろう。同時にこの種の選択は、本来…

炭素税やエネルギー税などの経済的手段

西ドイツのある省庁を訪れて、環境担当の高官と話をしたときのことです。西ドイツは、地球温暖化の問題で、スウェーデンとならんで、もっとも熱心に大気安定化政策を進めていた国でした。一九九〇年一一月には、環境担当大臣が、二酸化炭素の排出量を、二〇…

死後の尊厳

一方、日本人独特と思われるものとして、感情的に「体を傷つけられたくない」、「意義は認めるが、自分が提供するのは何となくいや」などの反対理由や、さらに「心身は不可分、来世のために五体を残したい」という人もあり、また「肉親が生前に献体を希望し…

泥臭さに浸るな

わたしが以前ともに仕事をしたことのある英国人のSEがそういう男だった。しゃれたブリティッシュースタイルのスーツに身を固めて、朝出勤してくると当日中に解決しなければならないバグ(コンピューターシステムの不具合のこと∵リストに目を通す。そして、…

ケアプランとケアマネジャー

個々の要介護者にもっとも必要とされる介護は何か、痴呆性の問題も含め、もう一度深く検討する必要があります。厚生省では二〇〇〇年度中に高齢者の介護の実態に関する調査を実施しており、その結果を踏まえ具体的な改善方法を検討中です。公正、適切な認定…

指定金銭信託(単独運用)

指定金銭信託はおカネの運用について、たとえば貸し出しに回してくれとか有価証券の買い入れに充てるとか、また銀行へ預金ナるといったようにごくおおざっぱに指定するだけで、細かいことは信託会社に任せるものです。だから信託会社は大体任せられた範囲な…

研究と評論

さてデイトキーパーを目差すジャーナリストにとっては科学的方法に基づく、客観的報道が第一の機能であった。しかしいかなる社会においても意見の主張、あるいは評論を欠いたジャーナリズムは、存在しないであろう。ゲイトキーパーを目差すジャーナリズムに…

貸付信託の現状

貸付信託は昭和二十七年六月から始まり、当初は二月ごとに募集していましたが、現在では毎月募集を行い、五日および二十日に締め切(設定)つています。貸付信託の伸びは順調で、募集を始めてから六ヵ月後の昭和二十七年末には総額九十二億円にすぎなかった…

守られなかった「ハーヴェイーロードの前提」

いまさら言ってみても取り返しがつかないことだが、「規律」をわきまえた「正気」の銀行・金融機関(および企業・個人)が、少しは存在して、事態に影響力を及ぼすことが、はだしてできなかったものだろうか。だが、潜在的には存在した「正気」が背後に退き…

銀行行動の積極化

不動産業の土地投資は、80年代後半に急増した。この間の不動産業の所要資金81兆5,000億円のうち、約4分の3にあたる62兆3,000億円が銀行からの借入れによって賄われた。これを銀行の側から見ると、銀行の不動産業への貸出は、85年度から89年度にかけて年率19.…

食料商品化率の低迷

食料の国家買付量を引き上げようと、国家が統制を強化すればするほど商品化食料は逆に減少し、それがゆえに国家は食料への統制をますます強化せざるをえなかった。農業集団化を求める党とこれを忌避する農民行動が、因となり果となって、食料生産と食料国家…