源資の短期性

短期の預金の集積により、その期間の延長または預け替えによる資金全体の長期化を図ること、小口長期ものよりも大口短期ものを主に定型的ユニット取引化を図ること、迅速・正確かつ源泉課税なき利息支払いなどの市場慣行が徐々に形成され、これらの資金を利用して大口、長期のユーロ・ダラー・ターム・ローンまたはシンジケート・ローンの世界が展開していくこととなる。貸出しは多数のユーロ・バンキング機関が同一ローンに参加して、金額の巨額化・長期化が達成され、リスクの分散も同時に図られることとなる。

また、源資の短期性から、適用金利も短期間の市場金利に連動して、その上に若干の利ザヤを上乗せすることにより、貸手、借手ともに満足する金利条件を設定する方式も創成された。さらにユーロ市場参加者も相互に信頼感をもって結ばれている、比較的狭いバンキング業務関係者に限局され、比較的大口の、かつ金利動向に鋭敏な取引が中心になってきた。