群集行動の心理的過程はある程度理解できるが、実際に人々が群集化したり群集行動を示すことは、そうはみられるものではない。それでは、いかなる条件において群集行動が発生するのであろうか。ふつうは、単なるのぞき見的な興味だけでは人々は群集化しても…
国連には現在、百八十四力国が加盟しており、常駐オブザーバーのスイスを除けば、ほぼ大半の国家が加盟する文字通りの国際機関になった。九一年には韓国と北朝鮮、バルト三国など七力国、九二年には旧ソ連からの独立国など十三力国、九三年には解体したチェ…
羽田にはそうした策略をめぐらすしたたかさはなかった。人を裏切るようなことは、人柄の羽田には相応しくなかった。実際、そうした羽田の人柄を買い、社会党にも支持者は少くなかった。社会党が連立与党を離脱し、政権基盤が一挙に弱体化したとき、用意して…
表紙の色が与える印象とは裏腹に、これはパリに本部のある経済協力開発機構(OECD)が毎年発行する重さ二キロもある年鑑で『ナショナルーアカウンツ』と呼ばれている。加盟二十四力国の財政の姿がさまざまな角度から統計としてまとめられている。ここに…
短期の預金の集積により、その期間の延長または預け替えによる資金全体の長期化を図ること、小口長期ものよりも大口短期ものを主に定型的ユニット取引化を図ること、迅速・正確かつ源泉課税なき利息支払いなどの市場慣行が徐々に形成され、これらの資金を利…
「僕が部落民であることを誰にもいいたくなかったし、いわなかった。それどころか、僕自身徹底的な差別者でした。先日、解放同盟都連の若林さん(都連書記長)にも、きつく指摘されました。僕は部落に住んだことが一度もないんです。部落に住んでいる人とは…
こうして設備投資が売上高の増加に結びつかず、営業利益率は減少すらするということになると。企業にとって決定的な資本収益率(投下資本がいかに効率よく収益を生み出すかという指標)、資本の効率性が趨勢的に下落していくのも当然であった。図は製造業全…
これらのすべての生活の土台を支える公的な政策は、市民たちの多くの「自助グループ」によって支えられ、監視され、生かされているといっても過言ではない。たとえばグラウエーパンター(グレイーパンサー)という名の老人グループがある。年金や、老人ホー…
実務家は、自らの理念や思想と時代の激変との相剋、ジレンマに引き裂かれる宿命をもっているが、こうしたことに耐えていくには、まず第一に技術的なものは徹底的に身につけなくてはならないだろう。新しい情報や新しいメディアに対して、はじめから反発して…
そうした有事のために日本人幹部を高給で飼っておくというのである。いつかクビを切られるその日のために数年、あるいは数ヶ月、飽食しながら悠々自適の待遇を得られる。それを良しとする人もいるかもしれないが、多くの人がしり込みをするのではないだろう…
スウェーデンはこの約一世紀にわたって病院中心主義を貫いてきた。一定の人口(四万〜五万人)にひとつの病院をつくり、それを全国的に整備して頂点に大学付属病院を位置づけ、病院の医療費は、県が県税を徴収してまかなう(県税の八〇パーセントが病院医療…
イギリス大使としてこうした誤った政策に与したために、ジョゼフーケネディは、政治家としての一生を棒に振ることになった。そして彼は、心密かに抱いていた大統領になる夢を自分の息子に託さざるをえなくなった。後年、息子が大統領選に出馬したときにも、…
常在菌として咽頭粘膜に安住していた毒素を作らないジフテリア菌が、毒素を作るようになってジフテリアという病気を起こすと、それまでの安定した粘膜という環境の状態は激変する。患者が死亡すれば、同時にそれまでジフテリア菌が依存していた存在環境も失…
二〇〇〇年に発足したユーラシア経済共同体(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン加盟)は、これら各国と隣接地域の「統一経済圏」創設をめざしているが、そうしたユ上フシア概念を機構名称としている。ユーラシア大…
87年以降、経済が拡大するにつれて、雇用面での不安は急速に薄れていった。まず、87年4月〜6月頃から残業時間が増えてきた。次に7月〜9月頃から求人数が増え始めた。そして、88年に入ると常用雇用が増えてきた。雇用関係の指標は軒並み改善した。有効求人倍…
それでも、顧客がもっているはずの電子マネーやクレジットカードを使わずに支払いをしてしまえば、個人情報は手に入りません。消費者金融業者やTSUTAYAのように、なにかを貸すサービスを本業としている企業は、情報戦略の面ではかなり有利なのです。…
もっとも、民事事件の場合は刑事事件と異なって、技術的な複雑さかおり、素人には向かないのではないかという懸念かおることは私も十分承知しています。しかし、日本より法制度が複雑とさえ思えるアメリカでも民事陪審をやっているのです。争点の整理、裁判…
われわれは政府も含めて今世紀の後半から、かなり真剣に社会保障・社会福祉の充実に努めてきたわけで、それを二一世紀になって、財政難であるからという理由で一挙に極端な改革をするということは国民の理解も得られないだろう。同時にこの種の選択は、本来…
西ドイツのある省庁を訪れて、環境担当の高官と話をしたときのことです。西ドイツは、地球温暖化の問題で、スウェーデンとならんで、もっとも熱心に大気安定化政策を進めていた国でした。一九九〇年一一月には、環境担当大臣が、二酸化炭素の排出量を、二〇…
一方、日本人独特と思われるものとして、感情的に「体を傷つけられたくない」、「意義は認めるが、自分が提供するのは何となくいや」などの反対理由や、さらに「心身は不可分、来世のために五体を残したい」という人もあり、また「肉親が生前に献体を希望し…
わたしが以前ともに仕事をしたことのある英国人のSEがそういう男だった。しゃれたブリティッシュースタイルのスーツに身を固めて、朝出勤してくると当日中に解決しなければならないバグ(コンピューターシステムの不具合のこと∵リストに目を通す。そして、…
個々の要介護者にもっとも必要とされる介護は何か、痴呆性の問題も含め、もう一度深く検討する必要があります。厚生省では二〇〇〇年度中に高齢者の介護の実態に関する調査を実施しており、その結果を踏まえ具体的な改善方法を検討中です。公正、適切な認定…
指定金銭信託はおカネの運用について、たとえば貸し出しに回してくれとか有価証券の買い入れに充てるとか、また銀行へ預金ナるといったようにごくおおざっぱに指定するだけで、細かいことは信託会社に任せるものです。だから信託会社は大体任せられた範囲な…
さてデイトキーパーを目差すジャーナリストにとっては科学的方法に基づく、客観的報道が第一の機能であった。しかしいかなる社会においても意見の主張、あるいは評論を欠いたジャーナリズムは、存在しないであろう。ゲイトキーパーを目差すジャーナリズムに…
貸付信託は昭和二十七年六月から始まり、当初は二月ごとに募集していましたが、現在では毎月募集を行い、五日および二十日に締め切(設定)つています。貸付信託の伸びは順調で、募集を始めてから六ヵ月後の昭和二十七年末には総額九十二億円にすぎなかった…
いまさら言ってみても取り返しがつかないことだが、「規律」をわきまえた「正気」の銀行・金融機関(および企業・個人)が、少しは存在して、事態に影響力を及ぼすことが、はだしてできなかったものだろうか。だが、潜在的には存在した「正気」が背後に退き…
不動産業の土地投資は、80年代後半に急増した。この間の不動産業の所要資金81兆5,000億円のうち、約4分の3にあたる62兆3,000億円が銀行からの借入れによって賄われた。これを銀行の側から見ると、銀行の不動産業への貸出は、85年度から89年度にかけて年率19.…
食料の国家買付量を引き上げようと、国家が統制を強化すればするほど商品化食料は逆に減少し、それがゆえに国家は食料への統制をますます強化せざるをえなかった。農業集団化を求める党とこれを忌避する農民行動が、因となり果となって、食料生産と食料国家…
王家で意見が割れているのも、結局は権力闘争です。保守的な人はビンーラディンのようなイスラム原理主義者を支援し、アメリカに近い人は米軍への基地の提供を積極的に勧める。どちらも同じ王家の人たちです。サウジアラビアで差別されているのはシーア派の…
過剰設備や経費の削減については、日本の内需は長期停滞し、外需もリーマンーショツク以降、急減してしまい、需要が供給に見合わず、過剰供給を抱えている産業が多くあります。日本企業は不採算でも、撤退しない企業が多いことが問題です。多くの家電メーカ…