高い評価のエアラインはどこか

世界で高い評価を受けているエアラインはどこだろうか。まず、主要エアラインの輸送実績からみてみよう。

搭乗乗客数が多いことは高い支持を得ている表れだが、旅客数のベスト10は、

①デルタ ②ユナイテッド ③アメリカン ④サウスウェスト(米国)
⑤ノースウェスト ⑥USエアウェイズ ⑦コンチネンタル ⑧全日空
⑨ルフトハンザ ⑩エールフランス

で、日航はこ一位、TJASは一七位だ。乗客の数では圧倒的に航空大国アメリカの国内エアラインが強い。

次に、旅客数に乗客の飛行距離をかけた、旅客キロ数のベスト20は、
①ユナイテッド ②アメリカン ③デルタ ④ノースウェスト
⑤BA ⑥コンチネンタル ⑦エールフランス ⑧日航 ⑨ルフトハンザ
⑩USエアウェイズ ⑪シンガポール ⑫KLMオランダ ⑬サウスウエス
カンタスーオーストラリア ⑮全日空 ⑯TWA(米国) ⑰キャセイ
⑱エアーカナダ ⑲タイ ⑳アリタリア

となる(いずれも九九年の実績、米国ATW誌)。

ところで、日本人に「よいサービスのエアライン」を選んでもらうと、シンガポール、スイス、ヴァージン・アトランティック航空が御三家で、主に機内サービスを評価している。

さらに、機内サービスでは機内食の充実と座席の広さからニュージ土フンド、アンセ
ットーオーストラリアなど豪州勢の急伸ぶりが目立つ。しかし、利用頻度の高いリピーターだと、機内サービスに加えて安全性や定時性の評価が高まり、KLM、ルフトハンザ、カンタス、日系では全日空日航の評価が上がってくる。

ちなみに、アメリカ人のサービス評価をみてみると、①シンガポール ②カンタス ③スイス ④キャセイ ⑤タイ ⑥ニュージ土フンド ⑦ヅアージン ⑧日航 ⑨BA ⑩スカンジナビアで(『トラベル&レジャー』誌、九七年九月実施)、日本での評価と大差ないが、自国アメリカ企業と、KLM、ルフトハンザなどの評価が低いのが興味深い。

評価項目は、「機内の快適性」「エンターテイメントを含む機内サービス」「発着時間の正確さ」「機内食」スユユーの豊富さ、味、アルコール類を含む)「乗り継ぎ、手荷物取り扱いを含む利便性」となっている。タイ女性のしとやかな微笑には、日本人同様弱いようである。

このように、サービスの質で低い評価しか得ていない米国企業が実績で世界のトップクラスを維持しているのは、運賃の競争力、便数の多さとマイレージ制度のお陰だ。