日本経済の回復と繁栄

今日に至る日本経済の回復と繁栄が、アメリカの主導する戦後の国際経済の枠組み(具体的には、GATT・IMF体制)の下で実現したことは客観的事実である。日本資本主義経済がこの枠組みの最大の受益者であることは、日本がアメリカに次ぐ世界第二位の経済大国の地位にまで昇りつめたことに、余すところなく示されている。

国民生活も、60年代以後急速に向上した。変動相場制の下では、一人当り国民所得を単純にドル換算して比較することはほとんど意味をもたないが、標準的日本人の生活が世界の先進国の水準にあることは間違いない。

アメリカと日本が、今後の国際経済においても、引き続き指導的立場に立つことが確実に予見できる以上、また、日米両国にとって各々のもつ重要性も今後増すことはあっても減ることは考えにくい以上、日米関係を友好的に発展させていくことは、決定的に重要である。私たちの議論の出発点として、日米関係を友好的に保ち、発展させていくことの重要性を、まず強調してかきたい。